上顎洞に迷入したインプラントの摘出

 

 

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インプラント治療のトラブル、偶発症の一つに、インプラントが上顎洞(副鼻腔)に迷入し、上顎洞炎(蓄膿)を引き起こすことが挙げられます。

レントゲンの写真は、他医からの紹介で来院された患者様です。

初診時、インプラント周囲炎、歯周病、インプラントの上顎洞迷入の問題がありました。

上顎洞に迷入したインプラントは、そのインプラントの摘出術と、上顎洞炎(副鼻腔炎、蓄膿)を治癒させる必要があります。

治療方法として、インプラント周囲炎、歯周病の治療と、インプラントの再治療による咀嚼機能の回復、それから、上顎洞迷入のインプラントの摘出が必要になります。

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当院でのインプラントの再治療と上顎洞迷入のインプラントの位置関係です。

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インプラントの再治療と、インプラント摘出の術前のレントゲン

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インプラント摘出の術直後のレントゲン

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摘出したインプラント

 

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最小限の手術侵襲(体の負担)で、腫れや出血がほとんどありません。

手術はわずか5分で終了しますが、一般の歯科医ではできない手術になります。

また、口腔外科が行える病院でも、このような最小限の手術をすることは、CTによる綿密な検査と、特殊な治療法を用いることが必要です。

当院では、このように、インプラントの失敗や、予後の不良な状態も、きちんとリカバーできる治療法で安心して、インプラントの治療による快適な咀嚼機能と審美性の回復という、インプラント治療のメリットを享受できる治療が受けられます。

インプラントの進化の流れ

デンタルインプラントの治療は人類の第2の永久歯そして現在可能な最も確実な再生治療であり、そのインプラントの治療の歴史は50年以上前にさかのぼることができます。

デンタルインプラント(歯科インプラント)の治療は、組織学的にすでに解明がなされていて、チタンは他の金属と違い非常に身体親和性に優れており、今日では臨床治療において不可欠は治療法になっています。

また、この50年以上の間に、インプラントも第一世代、第二世代、第三世代、第四世代と進化してきています。

第一世代のインプラントはチタンが骨と結合し、固定することで、顎の骨に人工歯根(チタンのインプラント)をいれ、入れ歯を固定して、一度失った歯をもう一度取り戻し、よりしっかり噛める歯にすることを可能にしました。
第二世代のインプラントは、インプラントの手術や処置の術式がより容易になり、患者様の手術負担が減り、より臨床的に安全で身近な治療を可能にしました。
第三世代のインプラントは、安全で安定した治療として確立し、更に、審美性もほとんど天然の歯と見分けがつかないぐらいのクオリティーが満たされる治療を可能にしました。
第四世代のインプラントは、安全で安定し、審美性も高く、更に手術の負担が格段に少なくなり、また、歯を抜くと同時に歯を入れることが可能になりました。

 

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インプラント治療の際の骨密度の評価

丈夫で安定したインプラント治療を行うには、治療の前に、その部分の骨の評価が重要であり、術前に、その骨の状態を把握しておくことで、最適な手術方法が選択され、より安全で確実なインプラントの手術が可能になります。

その際、クリニックでは、院内で撮影したCTをインプラント治療シュミレーションソフトで分析し、下記のような評価法と対比させ、骨の状態を判断に用いています。

ハウスフィールド値

骨の評価を5段階に分類し、その情報をもとに、手術方法を微妙に変化させます。

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たとえば、このインプラントをいれる部分の骨は、mean 932となっているため、D2の十分な骨の硬さがあるため、安定したインプラントになりやすく、また、インプラントが安定するのに、短期間で済むことがわかり、インプラントの治療の期間が短くて済むと予測できます。

また、患者様のインプラント治療を予定している部分の骨も、同じ患者様であっても、骨の薄い部分、弱い部分、柔らかい部分などがあり、インプラントが最も安定しやすい部分を調べてから、手術時の最大の安定と、術後の長期的な安定の両方のバランスが取れた部分に、インプラントの長さや、太さ、角度などを決定し、インプラントの手術を行います。

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mean値を確認しながら、骨の状態を調べ、把握します。

 

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最も骨の硬い部分を中心に安定しやすい場所にインプラントのシュミレーションをします。

また、この評価を経年的に評価し、レントゲンだけはわからない、骨密度の変化や、影響による、インプラントの調整を行うことで、たとえば、10年で骨の密度が20パーセント程度落ちた場合、インプラントの歯にかかる咬み合わせの力の負担も20パーセント程度調整するといった、インプラントのメンテナンスに応用しています。

CTについての詳しい情報はこちら

歯を抜けたままにしておいたときの歯の移動

虫歯や歯槽膿漏(歯周病)、歯の根の病気などで 歯を失った部分を放置しておくとかみ合う歯や隣の歯が移動してきます。

そのようなことを防いだり、奥歯でしっかり噛むためにも、インプラントが必要になる場合もあります。

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すべての歯がそろっていたとき

 

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奥歯がなくなってから、数年たった状態

レントゲン右側のいちばん奥の歯が歯列より下に下がってきています。

インプラント治療の際のCT

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インプラント治療を診断、計画、メンテナンスする場合、CT検査は、非常に大切な検査にになります。

特に、インプラント治療の前に、顎の骨の状態を調べ、レントゲン検査と合わせて、どのように治療を進めることが良いインプラント治療になるかを診断、計画することが非常に重要です。

また、CT検査は単に、CTを撮影するのではなく、CTのデータをコンピューターのソフトで様々に分析し、また、インプラント治療シュミレーションソフトにより、インプラント治療(インプラント手術)のバーチャルシュミレーションを行うことができます。

そのほか、顎の骨の長さや幅、骨の密度の評価、下顎の場合、インプラント手術で特に注意の必要な、下歯槽管(下歯槽神経、下歯槽動脈)の位置や状態、上顎の場合、上顎洞(副鼻腔)や鼻腔また、その内部の粘膜の状態、切歯管などの位置や状態などをより正確に捉えることができ、より安全で安心のできるインプラント手術を受けられます。

院内のCTによるCT撮影を行います。

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CTの元データイメージ

 

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矢状断(横からの断面、左右的な断面)

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前頭断(前からの断面、前後的な断面)

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冠状断(上からの断面、上下的な断面)

 

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ボリュームレンダリングによる3Dイメージ処理

 

上記のようなデータをさらに、院内の特殊なインプラント治療シュミレーションソフト(コンピューターガイド)により、精密分析処理します。

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3Dイメージ(顎骨)でのインプラント治療シュミレーション

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3Dイメージ(皮膚、軟組織)でのインプラント治療シュミレーション

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インプラント治療のコンピューターソフト

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コンピューターソフトによる、様々なデータの解析、分析項目

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インプラント埋入部位の骨の評価(骨の硬さ、骨密度)

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インプラント埋入部位の骨の評価(骨の硬さ、骨密度、骨の長さ、骨の幅)、神経、血管の位置と関係

 

北山吉川歯科クリニックでは、インプラントの手術は、ほんのわずかな時間で終わりますが、そこには、単に、数多くの手術実績や経験によるものではなく、手術前のこのような、十分に時間をかけ、細かく分析、計画された作業によるもので、このような最新のコンピューター技術を応用し、歯ぐきを切開して、骨の状態を直接確認しなくても、骨の状態や、神経、血管の状態を把握し、手術時間の短縮や、手術負担の軽減をしているからです。

また、最終的に入れる歯の方向や状態もシュミレーションすることで、術後の最終の仕上がりまで、慎重で、安全に計画的な治療を行うことにつなげます。