ブリッジのやり変えのためのインプラント

欠けてしまった、前歯のブリッジのやり変えを希望して来院されました。

ブリッジの再治療をするにあたり、全部がつながっているため、

  • やり変えが大掛かりになる。
  • ブリッジを支える歯が虫歯や歯周病でボロボロになっており、ブリッジのやり変えではなく、入れ歯かインプラントの支えも必要になってくる可能性がある。
  • 残せる歯を、なるべく抜かずに再生させる必要がある。

これらを考慮して、治療を進める必要があるため、十分な検査を行い、治療の診断、計画を立て、治療を行いました。

 

 

治療としては、

  • なるべく歯を抜かずに残す
  • 虫歯と歯周病とかみ合わせをきちんと治す
  • 将来、今回の治療のきっかけのように、歯のどこかにトラブルが生じた場合、その部分だけ簡単に治療やリカバーなどのトラブル解決ができるようにしておく。

以上の点を含めて治療を行いました。

 

上下のブリッジを外し、腐ってしまって、残せない歯以外は、すべて、なるべく抜かずに残し、虫歯や、歯周病をきちんと治療し、さらに、それらの歯が、治療後、長く健康な状態に保てるよう、歯が、もともと無かった部分と腐ってしまっていた部分にのみ、にインプラントを入れ、治療を終えました。

治療は、1本づつの歯になっているため、日々のお手入れもしやすく、万が一、どこかの歯が悪くなっても、その部分だけ治療すればいいだけのメンテナンスがしやすい状態にして完了しました。

 

 

 

上顎洞に迷入したインプラントの摘出

 

 

150331(77)

インプラント治療のトラブル、偶発症の一つに、インプラントが上顎洞(副鼻腔)に迷入し、上顎洞炎(蓄膿)を引き起こすことが挙げられます。

レントゲンの写真は、他医からの紹介で来院された患者様です。

初診時、インプラント周囲炎、歯周病、インプラントの上顎洞迷入の問題がありました。

上顎洞に迷入したインプラントは、そのインプラントの摘出術と、上顎洞炎(副鼻腔炎、蓄膿)を治癒させる必要があります。

治療方法として、インプラント周囲炎、歯周病の治療と、インプラントの再治療による咀嚼機能の回復、それから、上顎洞迷入のインプラントの摘出が必要になります。

150331(79)

150331(79)-

当院でのインプラントの再治療と上顎洞迷入のインプラントの位置関係です。

151110(0)

インプラントの再治療と、インプラント摘出の術前のレントゲン

150331(83)

インプラント摘出の術直後のレントゲン

150331(82)

摘出したインプラント

 

150331(80)

最小限の手術侵襲(体の負担)で、腫れや出血がほとんどありません。

手術はわずか5分で終了しますが、一般の歯科医ではできない手術になります。

また、口腔外科が行える病院でも、このような最小限の手術をすることは、CTによる綿密な検査と、特殊な治療法を用いることが必要です。

当院では、このように、インプラントの失敗や、予後の不良な状態も、きちんとリカバーできる治療法で安心して、インプラントの治療による快適な咀嚼機能と審美性の回復という、インプラント治療のメリットを享受できる治療が受けられます。

インプラント治療の際の骨密度の評価

丈夫で安定したインプラント治療を行うには、治療の前に、その部分の骨の評価が重要であり、術前に、その骨の状態を把握しておくことで、最適な手術方法が選択され、より安全で確実なインプラントの手術が可能になります。

その際、クリニックでは、院内で撮影したCTをインプラント治療シュミレーションソフトで分析し、下記のような評価法と対比させ、骨の状態を判断に用いています。

ハウスフィールド値

骨の評価を5段階に分類し、その情報をもとに、手術方法を微妙に変化させます。

f4a1b0aed5dc02442c433030ff24c0311-300x236

たとえば、このインプラントをいれる部分の骨は、mean 932となっているため、D2の十分な骨の硬さがあるため、安定したインプラントになりやすく、また、インプラントが安定するのに、短期間で済むことがわかり、インプラントの治療の期間が短くて済むと予測できます。

また、患者様のインプラント治療を予定している部分の骨も、同じ患者様であっても、骨の薄い部分、弱い部分、柔らかい部分などがあり、インプラントが最も安定しやすい部分を調べてから、手術時の最大の安定と、術後の長期的な安定の両方のバランスが取れた部分に、インプラントの長さや、太さ、角度などを決定し、インプラントの手術を行います。

スクリーンショット 2015-03-01 14.20.28-2

 

mean値を確認しながら、骨の状態を調べ、把握します。

 

スクリーンショット 2015-03-01 14.20.472

スクリーンショット 2015-03-01 14.21.082

スクリーンショット 2015-03-01 14.23.042

 

最も骨の硬い部分を中心に安定しやすい場所にインプラントのシュミレーションをします。

また、この評価を経年的に評価し、レントゲンだけはわからない、骨密度の変化や、影響による、インプラントの調整を行うことで、たとえば、10年で骨の密度が20パーセント程度落ちた場合、インプラントの歯にかかる咬み合わせの力の負担も20パーセント程度調整するといった、インプラントのメンテナンスに応用しています。

CTについての詳しい情報はこちら

インプラント治療の際のCT

スクリーンショット 2015-02-04 18.22.23

インプラント治療を診断、計画、メンテナンスする場合、CT検査は、非常に大切な検査にになります。

特に、インプラント治療の前に、顎の骨の状態を調べ、レントゲン検査と合わせて、どのように治療を進めることが良いインプラント治療になるかを診断、計画することが非常に重要です。

また、CT検査は単に、CTを撮影するのではなく、CTのデータをコンピューターのソフトで様々に分析し、また、インプラント治療シュミレーションソフトにより、インプラント治療(インプラント手術)のバーチャルシュミレーションを行うことができます。

そのほか、顎の骨の長さや幅、骨の密度の評価、下顎の場合、インプラント手術で特に注意の必要な、下歯槽管(下歯槽神経、下歯槽動脈)の位置や状態、上顎の場合、上顎洞(副鼻腔)や鼻腔また、その内部の粘膜の状態、切歯管などの位置や状態などをより正確に捉えることができ、より安全で安心のできるインプラント手術を受けられます。

院内のCTによるCT撮影を行います。

WS000036

 

CTの元データイメージ

 

スクリーンショット 2015-02-04 18.25.23

 

矢状断(横からの断面、左右的な断面)

スクリーンショット 2015-02-04 18.26.26

 

前頭断(前からの断面、前後的な断面)

スクリーンショット 2015-02-04 18.26.09

冠状断(上からの断面、上下的な断面)

 

スクリーンショット 2015-02-04 18.22.23

ボリュームレンダリングによる3Dイメージ処理

 

上記のようなデータをさらに、院内の特殊なインプラント治療シュミレーションソフト(コンピューターガイド)により、精密分析処理します。

140325(10)ー

3Dイメージ(顎骨)でのインプラント治療シュミレーション

94ed160662be198949535a112047e9b4

 

3Dイメージ(皮膚、軟組織)でのインプラント治療シュミレーション

スクリーンショット 2015-02-03 17.59.31

インプラント治療のコンピューターソフト

スクリーンショット 2015-02-03 17.56.25

コンピューターソフトによる、様々なデータの解析、分析項目

スクリーンショット 2015-02-03 17.57.12

インプラント埋入部位の骨の評価(骨の硬さ、骨密度)

f4a1b0aed5dc02442c433030ff24c0311-300x236

インプラント埋入部位の骨の評価(骨の硬さ、骨密度、骨の長さ、骨の幅)、神経、血管の位置と関係

 

北山吉川歯科クリニックでは、インプラントの手術は、ほんのわずかな時間で終わりますが、そこには、単に、数多くの手術実績や経験によるものではなく、手術前のこのような、十分に時間をかけ、細かく分析、計画された作業によるもので、このような最新のコンピューター技術を応用し、歯ぐきを切開して、骨の状態を直接確認しなくても、骨の状態や、神経、血管の状態を把握し、手術時間の短縮や、手術負担の軽減をしているからです。

また、最終的に入れる歯の方向や状態もシュミレーションすることで、術後の最終の仕上がりまで、慎重で、安全に計画的な治療を行うことにつなげます。