小児歯科とは
永久歯と乳歯の特徴の比較
乳歯と永久歯の特徴の比較には
- 乳歯の歯根は永久歯と比較して湾曲していたり離開している
- 歯髄腔は大きく髄角が高い
- エナメル質および象牙質は、永久歯の約半分
- 乳歯は、永久歯と比べ青白い
小児歯科における、小児の歯の年齢は
-
暦年齢(実際の年齢)
現在の -
生理的年齢(歯の成長の年齢、骨年齢)
発育に合わせて、 -
その他(精神年齢)
などを考慮します。
小児歯科の不正咬合
小児歯科の不正咬合には、以下のようなものがあげられます、多く見られ順番になります。- 反対咬合
- 正中離開
- 上顎前突
- 開口
- 創成
小児歯科の不正咬合を引き起こす悪習癖
小児歯科の不正咬合を引き起こす悪習癖には、以下のようなものがあげられます、- 吸指癖(指しゃぶり)
- 咬唇癖(唇かみ
- 弄舌癖
- 口呼吸(鼻づまり、扁桃腺肥大)
- 咬爪癖(爪かみ)
- 嚥下異常(嚥下時の舌の位置異常)
小児歯科の口腔粘膜疾患
小児歯科の口腔粘膜疾患には次のようなものがあります。- ウィルス性疾患
- その他の粘膜疾患
1、ウィルス性疾患の種類と原因ウィルス、部位、症状、治療
疱疹性歯肉口内炎
原因ウィルス:単純疱疹ウィルス 部位 :口唇、舌、歯肉、口腔前庭 症状 :発熱、悪寒、摂食痛、 治療 :安静、二次感染の予防手足口病
原因ウィルス:コクサッキーウィルスA16 部位 :手、足、口 症状 :手、足、口腔粘膜に小水疱、発熱、悪寒、摂食痛、1~5歳児に好発 治療 :安静、二次感染の予防ヘルパンギーナ
原因ウィルス:コクサッキーウィルスA4 部位 :扁桃、咽頭、口蓋 症状 :扁桃、咽頭の激痛摂食痛、嚥下痛、発熱、悪寒、口蓋に水疱、乳児に好発 治療 :安静、二次感染の予防麻疹(コプリック班)
原因ウィルス:麻疹ウィルス 部位 :頬粘膜 症状 :麻疹に伴う症状として生じるが、自然消失する 治療 :安静、二次感染の予防流行性耳下腺炎
原因ウィルス:ムンプスウィルス 部位 :耳下腺(耳の前、あごの関節付近) 症状 :耳下腺の腫脹、摂食痛、食欲不振、唾液分泌の減少、開口障害 治療 :安静、抗生物質の投与、グロブリンの投与2、その他の粘膜疾患
黒舌病
苺舌
上皮真珠
小児歯科における投薬について
小児歯科における投薬量の算定方法には以下のようなものがあります。- 年齢による算定方法:年齢÷(年齢+12)×成人量
- 体重による算定方法
- 体表面による算定方法
- その他の年齢チャートによる算定方法
小児歯科の年齢別、発育と歯科治療
年齢 | 歯の病気 | 歯の発育 | 歯とお口の管理と治療 |
---|---|---|---|
新生児 | 6.7か月で乳前歯の萌出 | 離乳食の管理 ガーゼ等での口腔清掃練習 かかりつけ歯科医への受診と相談 |
|
1歳6か月児 | 哺乳瓶う蝕 | 乳歯12~16本萌出 | かかりつけ歯科医への受診と相談 |
3歳児 | 咬合面、隣接面う蝕 不正咬合 | 乳歯列の完成 | かかりつけ歯科医への受診と相談 発育のチェック フッ素、シーラントの予防処置 |
6歳児 | 咬合面、隣接面う蝕 不正咬合 | 永久歯第一大臼歯の萌出(6歳臼歯) 乳前歯の脱落 | 乳歯、永久歯の予防治療 フッ素、シーラントの予防処置 発育のチェック |
小学校低学年 | 咬合面、隣接面う蝕 不正咬合 不潔性歯肉炎 | 永久歯前歯の萌出、生え変わり | ブラッシング指導 乳歯、永久歯の予防治療 フッ素、シーラントの予防処置 発育のチェック |
小学校高学年 | 咬合面、隣接面う蝕 不正咬合 不潔性歯肉炎 | 永久歯側方歯の萌出、生え変わり 永久歯第二大臼歯の萌出(12歳臼歯) | ブラッシング指導 乳歯、永久歯の予防治療 フッ素、シーラントの予防処置 発育のチェック |
小児の成長発育について
(Robinsの図) 一般的な年齢における、全身と頭部のバランスの変化は、Robinsの図を用いられることが多く、おおよそ下記のようにあらわされる。年齢 | 新生児 | 2~4年 | 4~7年 | 11~15年 | 15~25年 |
---|---|---|---|---|---|
身長と頭部の割合 | 4:1 | 5:1 | 6:1 | 7:1 | 7~8:1 |