歯の神経を抜かないための予防治療(中心結節の保護)

歯の先天的な奇形のために、歯の神経が虫歯や、歯槽膿漏でなくても抜かなければならない状態になることがあります。

このような状況をさけるためにも、きちんと定期健診を受け、歯科医師にチェックしてもらうとともに、適切な処置を受けることで、予防的に歯を守ることができます。


後続の永久歯に中心結節と呼ばれる歯の突起がみられ、歯の神経に近い突起になっているようにみられる。


完全に萌出して、噛んで折れてしまう前に、周りをプラスチックの樹脂などで保護することで、歯の神経の損傷をさけることができる場合があります。

乳歯の根管治療のポイント

乳歯の根管治療は永久歯と比べると以下のような違いがあります。

  • 乳歯の歯の根は湾曲している傾向にあることと、歯の根が永久歯との生え変わりで吸収していることがあり、レントゲンで根の長さと形を把握することが重要です。
  • 乳歯の根管治療は、永久歯のように、根尖病変や歯周組織を治癒させることよりは、後続永久歯の発育成長を妨げないことが重要な要素になる。
  • 乳歯の根管治療が適切に行われない場合、後続永久歯の形成不全や発育不全が起きることがあり、長い将来の永久歯の健康を保つためにも、とても重要な治療になる。

乳歯の根管治療と鑑別診断

乳歯の根管治療についての一覧表です。
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歯髄炎診断名症状検査・反応臨床所見治療
急性単純性歯髄炎自発痛温痛象牙質う蝕、う蝕部は湿った感じ歯髄保護を含む虫歯治療
慢性単純性歯髄炎痛みなし象牙質う蝕、う蝕部は乾燥した感じ生活歯髄切断法
急性化膿性歯髄炎自発痛と腫れ打診痛激痛、大きな齲窩抜髄または、生活歯髄切断法
慢性潰瘍性歯髄炎咀嚼痛温痛・打診痛咀嚼痛抜髄または、生活歯髄切断法
慢性増殖性歯髄炎咀嚼障害大きな齲窩に歯髄息肉抜髄または、生活歯髄切断法
歯髄壊疽自発痛打診痛・電気歯髄診壊疽臭と疼痛感染根冠処置と修復処置
急性化膿性根尖性歯髄炎自発痛と腫れ打診痛歯肉の腫脹感染根冠処置と修復処置
慢性化膿性根尖性歯髄炎
自発痛と腫れ打診痛・電気歯髄診歯肉の腫脹感染根冠処置と修復処置